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かつらオンラインのお客様や他社のかつらユーザーも気になる方も多いのではないでしょうか?
今回は植毛(人工毛の植毛)に関するお話をします。
薄毛で悩んでいて植毛を検討している方や、かつらを使いつつも植毛が気にっている方のお役に立てればと思います。
(植毛は医療行為です。医師の免許や看護師の免許を持った人が手術を行ないます。)
内容が多いので、今回は”人工毛植毛”についてで、次の機会に”自毛植毛”をお伝えします。
植毛の種類
植毛は大きく分けて2種類の方法が有ります。
それは”人工毛での植毛”と”自毛植毛(移植)です。
昔(20年位前まで)は植毛と言えば、人工毛の植毛でした。
それが、ここ近年では植毛と言えば、自毛植毛(移植)となっています。
簡単に説明すると、
人工毛の植毛は、その名の通り”人工毛”を直接頭皮に差し込んで植毛します。
要は、自毛が薄くなったり抜け落ちて頭皮が目立つ部分に、”人工的な髪の毛”を植え込んで、自毛の代わりにします。
自毛が無い部分に直接植毛するので、比較的短時間で出来ます。
一方、自毛植毛は比較的脱毛しにくい横や後ろの髪の毛を1~3本ずつ取り出して、髪の毛の無くなった部分に植え込みます。
自毛を取り出す時間と、植毛の時間が必要なので、通常丸一日と非常に時間がかかります。
人工毛植毛のメリット・デメリット
人工毛の植毛のメリット
最初に結論から言うと、メリットはほとんどありません。
昔は植毛専門の会社が数社ありましたが、現在では廃業しているか、自毛植毛メインや増毛・かつらの取り扱いにチェンジしているかのどちらかとなっています。
自毛と人工毛を両方行なっている会社でも、昔から人工毛植毛をしている顧客(リピーターで希望者)のみ人工毛で、新しく植毛をする(新規顧客)は、ほぼ全てが自毛植毛となっているようです。
・メリット
手術が短時間で済む。初期費用が安く少量からできる(自毛植毛に比べて)
手術時間は、1000本程度で大体2~3時間です。
費用は1本が200円~300円、最低で数十本単位から好きな本数を植毛できます。
人工毛の植毛のデメリット
・デメリット
拒否反応が出やすい。見た目が不自然になりやすい。1年で半分近く抜けるので補充が必要。
拒否反応は、まれにあまり出ない方もいますが、大抵は何かしら出るようです。
酷くなると頭皮が赤く腫れあがり、膿が出て化膿したりもします。
こうなると大変で、「その頭皮を隠す為にかつらを購入したい!」というお客様は結構いらっしゃいました。
拒否反応があまり出なくても、植えた毛の根元(毛穴)は黒く脂が溜まって不自然です。それを定期的に取る「脂抜き」なるもので、お店に通ったりもします。
そもそも、一定の太めの毛が「ビシッと」植毛されているので、生え際に行なうと不自然極まりない髪型になります。
そして、手術後に1年近く経ってみれば、半分近くは抜けているので更に追加しなければなりません。
この「植毛の脱毛」ですが、きれいに抜ければまだ良いのですが、根元近くで切れてしまい、頭皮には短い人工毛が残るケースが多々あります。
こうなると最悪で、ちょっとした雑菌で炎症を起こしやすく、肝心の髪の毛は無くて化膿した頭皮だけが残ります。
それを隠す為に周囲に植毛をして、そのうちにその植毛も切れて(抜けて)…の繰り返しと言うパターンもそう少なく無いのです。
この、”切れて頭皮に残った人工毛”ですが、長期間(時には数年間)、頭皮に残ったりもします。
そして、植毛メーカーに出向いて、わざわざ抜く手術をしたりしなければなりません。
ようやく、要らない人工毛が抜けても、ひどく炎症を起こした場合は、夏ミカンの皮のように頭皮にデコボコと跡(ピットスカー)が残ったりもします。
これらは、実際にかつらメーカー勤務時代に見たり聞いた内容でして、そういったお客様はかかった費用の面でも、頭皮の状態や見た目等、本当に大変そうでした。
ですので、当時にかつらを使っていて
「植毛なんていうのはどうなんですか?」等と聞かれた場合は、
「絶対にやめた方がいいですよ!ずっと後悔しますよ!」とアドバイスをしていました。
まあ、人工毛植毛が体質的に合う人もいたのでしょうけど…
という事で、現在のかつら業界(増毛、育毛、植毛含め)人工毛の植毛は殆ど行われていないのが現状です。
もし、植毛の料金が極端に安かったり、ごく少量で行なえる…などは人工毛の植毛かもしれません。
くれぐれもご注意くださいませ。
ビーエスト代表
かつら大手メーカー2社で、技術職から管理職まで幅広く従事。ヘアケア業界では35年以上のキャリアを持つ。