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今回は同じ抜け毛でも、頭髪の抜け毛ではなくかつらの抜け毛についてお話します。
かつらは基本的にベースに髪の毛を植毛するものです。
ベースの素材は
・メッシュ(ネット)
・コーティング素材(樹脂)
に分かれます。
人工的に上記のベース素材に植毛するので、植毛された髪の毛は伸びる事も新しく生えてくる事もありません。
このかつらに植毛した毛が抜けてくるのが、”かつらの抜け毛”となるワケです。
ただ、正確に言えば
毛が”抜ける”ではなく
毛が”切れる”と言った方が良いかもしれません。
かつらの植毛方法
かつらの植毛は、上述の通り髪の毛をベースに結んで行ないます。
仮にその結び目が緩んできて、ベースから抜けるのなら結構長い髪の毛が抜けるはずです。
というのも、かつら作成の時に髪の毛は長いものを2つ折りにして、その折目の頂点辺りを専用の植毛針でベースに植えます。
ですので、植毛前の髪の毛は結構長くて、25㎝~35㎝程度あります。
(ショートヘアー前提の通常長さの場合)
例えば35㎝の髪の毛1本を半分にして植毛すると15㎝位の髪の毛が2本出来る訳です。
丁寧なかつら工場だと、一度に1本か2本を植毛針で掴んで植えていきますが、品質の低い製品を取り扱う工場では3本から4本を一度に掴んで植毛します。
一度で6本~8本程、植毛できるのでかつらが早く出来上がります。
ただ、この方法では根元の結び目が大きくなるので、近くから見ると黒い点のように見えて不自然です。
かつらを自然に見せるには、根元の処理も重要です。
1本~2本を丁寧に、多く植毛する事で自然なかつらが出来上がります。
かつらオンラインの製品も当然、上記の1~2本掴みで丁寧に工場にて作成されています。
機械で植毛する製品や、あまりにも安いかつらは上記の”掴み”が多いものがほとんどですので、ご注意下さい。
そして、かつらの抜けた毛を見ると、大体は20㎝や30㎝はなくて、10㎝前後のものばかりだと思います。
経年劣化で根元付近で切れてしまうのです。
約0.03㎜位の細い毛の根元付近に、ドライヤーの熱風やくしブラシのテンション、洗う時の摩擦など常に負担がかかっているのです。
根元から新しい毛が生えてこないので、それも同じ個所に毎日毎日…
かつらの毛の劣化は、日常使用に於いてある程度仕方ないものなのです。
かつらの抜け毛を減らすには?
あまりにもかつらの毛が抜けてくると、スタイルにならないので何かしらの対処が必要です。
・分け目をずらす
・スタイルを変える
・修理に出す
・新しく作る
大体こんな感じです。
少々の抜け毛や脱毛なら、分け目やスタイルを変える事でしばらくは大丈夫です。
ただ、根本的な解決では無いので、そうこうしている内にもどんどんかつらの抜け毛は進行します。
では、こうなる前に予防するにはどうすればいいのでしょうか?
・なるべく負荷をかけない
・適切に洗って保管する
特に、負荷をかけないのは重要で、ここに気を使う事で1~2年位は寿命が違ってくる場合もあります。
具体的には”強く”する事を避けるのです。
・強くこする
・強く梳かす
・強く引っ張る
・強く洗う・乾かす
これらに少し気を付けて見て下さい。
また、洗い過ぎも良くないですが、洗わないで汚れを溜めるのも駄目です。
使い方や、季節によっても変わりますが、毎日使用なら週に1~3回は洗った方が良いですね。
皮脂や汗やほこり、雑菌なども有るので、ベース素材のメッシュや樹脂、人毛・人工毛に溜まると劣化や悪臭のもとになったりもします。
着け置きで優しくかつらを洗ったら、リンスやコンディショナーで仕上げて、ふんわりとタオルドライで水気を取ります。
その後に、自然乾燥や距離を話してドライヤーで乾かしましょう。
保管の際は、ベースのアール(丸み)が崩れないように専用台に置いて、高温や直射日光に当たらないようにして下さい。
もっと気軽にかつらを使いましょう!
せっかく作ったかつらなので、長く使いたい…
こんなお気持ちは十分分かりますが、当店の製品は格安です。
大手の様に、1台のかつらが50万円~70万円なら、数カ月でも長く使う事を優先して腫物を扱うように使ってもいいと思います。
ただ、それが数分の一の料金で作れるのであれば、もっと気軽に、もっと自由に使ってもいいのではないかと思っています。
少々無理が来ていてもなんとかセットしてスプレーで固めて外出する…
毛が抜けるし、ベースが壊れるので洗えない…
なんて事は逆にストレスになるので避けたいですよね?
多少傷んできたら修理して、寿命が来たら買い替える…
そんな当たり前のかつらライフを皆さんに味わって頂きたいと思っております。
感謝
福井 亮
#かつら #カツラ
ビーエスト代表
かつら大手メーカー2社で、技術職から管理職まで幅広く従事。ヘアケア業界では35年以上のキャリアを持つ。