今回は、メンズウィッグについてです。
メンズのウィッグと聞くと、一般のかつらメーカーでの取り扱っている「かつら」とはちょっと違って、既製品の安いかつらというイメージがあります。
かつらの業界ではウィッグというと主に女性用のかつらを指す事が多いのですが、男性の場合も「メンズウィッグ」等と呼ぶと今までの男性用かつら等とは違い、ちょっぴりおしゃれに聞こえるから不思議です。
かつらオンラインのお客様の中で若い人からのかつらが初めてというご注文が増えてきつつありますが、「メンズウィッグについてですが・・・」というお問合わせを頂くことも珍しくはありません。
「メンズウィッグ」や「ウィッグ」という言葉を使うのはやはり20代前半ぐらいの方がほとんどですね。もちろん若い方でもメンズウィッグ等ではなく、「男用のかつらについてですが・・・」といわれる普通(?)の方もいらっしゃいます。
今後、このようなおしゃれっぽいイメージでメンズウィッグも広がっていくとよいと思います。
メンズウィッグの通販やメーカー等を見ていますと、一番目に付くのがその金額ですね。
安いものでは5000円位からあって、注文するとすぐ発送されます。
スタイル(髪型)や髪の毛の色や長さも決まっていて、出来合いの物を在庫として持っていて、一般の物販と同じようにやり取りするわけです。
当店でも過去に何台か注文してどのようなメンズウィッグなのかを検証しました。
その結果は・・・
日常的に使用するのはお勧めできない品質で、パーティー等のイベントで一時的に使用するのなら、それもアリかも?というレベルのおもちゃに近い感覚でした。
理由としましては、
・やはり髪の毛の品質が悪いと言う事。
・植毛が機械植えなので、不自然
・ベースの作りが雑
といったところが主な点です。
いわゆる巷の数千円から二万円ぐらいのメンズウィッグは、本格的な使用には厳しいと言うのが現実です。
但し、そんなメンズウィッグにも利点があります。
・既製品のウィッグなのですぐ送られてくる
・とにかく安い
・おしゃれ用として周囲にオープンに出来れば、不自然でも割り切って使用できる
といったところが安いメンズウィッグの利点でしょうか・・・
なぜ、こんなに安くメンズウィッグが販売できるのかと言うと・・・
素材が安価な品質の低いものを使用しているのと、人間の手で植毛しない機械植え(マシンメイド)だからです。
髪の毛に使用している人工毛は、人形やコスプレウィッグに使用される非常に安い人工毛で、手触りも悪くて光の反射などでピカピカ光ったりします。
なので、時には非常に不自然に見える事もあります。
そして、人工毛が縮れたり折れてしまったりすると、元に戻りにくいのでお手入れも大変です。
マシンメイドのウィッグというのはメンズ用にもレディース用にもありますが、「蓑毛」という制作方法で作っていきます。
詳しい制作方法は別の機会にお話ししますが、この蓑毛を使用すると、ハンドメイドのウィッグよりも何倍も早く生産が出来ます。
メンズ用でも女性用でも相場より安いウィッグはこの蓑毛を使用しています。
目立たない所だけ、この蓑毛を使用してウィッグの天頂部や前部分はハンドメイドで作成する半マシンメイドという製品もあります。
いづれにしてもメンズもレディースもウィッグに関しましては、その品質などを分かった上で価格を吟味して購入する必要があります。
店長 福井
ビーエスト代表
かつら大手メーカー2社で、技術職から管理職まで幅広く従事。ヘアケア業界では35年以上のキャリアを持つ。