医療用かつらのカットの続きが、今回のテーマです。
前回の横から襟足に続いて、今回は後ろから天頂にかけてカットします。
この辺りになってくると、全体的なヘアスタイルが見えてきて、完成間近といった感じになってきます。
では、こちらの動画をご覧下さい。
*ご注意
上記はクリックすると音声が出ます。音声は小さめにしておりますが、あらかじめ音量を絞るなどして、お楽しみください。
かつらの部分部分で、適当にカットしても良いという所はどこもありませんが、大きく分けて2つの役割があります。
・前髪から天頂にかけて
この部分は、髪型の「カッコ良さ」を決める部分です。それだけに、微妙なカットやスタイリングが必要です。
・横から後ろにかけて
髪型の全体的なシルエット(形)を決める部分です。かつらを自然に見せる為に、丁寧に計算されたカットが必要です。
以上は、実は私の独断での意見ですが、かつらだけでなく全ての髪型について当てはまると思っています。
簡単に言うと、かつらの場合、
・前髪や天頂部分で軽さや、動きを表現してカッコ良く決めて、
・横と後ろの部分は、自毛と完璧になじませて自然に仕上げる・・・これによって理想的なスタイルが完成します。
当然、カットはプロに任せるとして、お客様には毎日のお手入れの時に、ほんの少し上記のような事をを意識してもらうと、断然自然さが違ってくると思います。(どんなにうまくカットしてもセットがイマイチだと自然には見えません。その逆もまた然りですが・・・)
さて、本題のカットです。
ポイントとしては、後ろに関しては少し長さを残して、日本人にありがちな「絶壁頭」を補正します。
そして、トップや分け目付近に関しては、毛量を減らしつつカットしていく訳ですが、意図的に短い毛を作ったり、逆に短い毛がツンツン目立たないように調整します。
ビーエスト代表
かつら大手メーカー2社で、技術職から管理職まで幅広く従事。ヘアケア業界では35年以上のキャリアを持つ。