今回は男性用部分かつらについてお話をしたいと思います。
まず、この呼び名である「男性用部分かつら」という言葉ですが、そもそもカツラ自体で「これは男性用、これは女性用」という風に分かれている訳ではありません。
では皆様が何んとなく使っている男性用部分かつらはどこから来たのでしょうか?
余談ではございますが、そもそもかつらの歴史は意外に古くて古代エジプト時代からあったという説もあって、強い日差しから頭を守るなんて言う役割もあったそうです。そして裁判官などの法曹関係者(裁判官等)が法廷の場で使用していた歴史もあります。
日本ではやはり舞台等の芸能やその後の映画等で使用されていたのがメインではないでしょうか?
一説には醍醐天皇が使用していたらしいですが・・・真偽の程は定かではありません。薄毛隠し(ファッション)としての男性用かつらは誕生してから100年も経っていないようです。
やはり「かつら」で「男性用」という言葉は大手AN社やAD社の広告戦略によって世の中に認知されたのではないでしょうか?
最近ではYou-tube等で昔の各かつら会社CMを見れますが、本当に懐かしい感じがします。
そして、かつらの素材としての「男性用」や「女性用」というものは存在しません。
メーカー側で勝手に
「女性に販売するかつらには、この花柄のレースをベースネットに使用してみよう」とか、
「この製品は男性向けだから黒くて固い素材に使用」等と各社が企画しているだけなのです。
特別に女性用の毛質もありませんし、男性用かつら向けの人工毛等もありません。
但し、各かつらメーカーでは女性が得意なメーカーや男性顧客が得意など、なんとなく色分けといいますか・・・特徴はありますね。当店では現在男性メインで営業を行なっておりますが、当然女性も相当数担当してきました。
最近では女性のお問合わせも非常に多くなってきております。
ホームページでは男性色を強くしておりますが、「女性も出来ますか?」「女性用のかつらが欲しいのですが・・・」等と色々な問い合わせがきます。
敢えて男性用部分かつらとカテゴリー分けしてみますと、近年では男性用かつら市場の「かつら離れ」が進んでいるとの情報が一般的です。これは40年以上も変わらない大手メーカーの特異な販売体制に問題があり、お客様が大手メーカーに行かなくなってきている為という要因もあります。その反面新たに男性の顧客が多く来るわけでもないので、「男性用かつら」の市場規模は縮小していると言われています。
ただ、当店で男性向けに運営をしておりますと、「離れて行ったお客様」達はかつらをいきなり辞めた訳でもなく、メーカーのお店に行かなくなっただけという事が分かります。
20歳そこそこの若者でも「就職前に髪型をキメたくて・・・」といってご注文をされます。
そういった現状を目の当たりにしますと薄毛で困っている人達は多くいらっしゃいますが、気軽に相談できる所が少なすぎるのではないかと思います。
先日も初めてご注文されたお客様に言われましたが、
「我々男性陣は今の時代、バンバンお金を使えないんだよ。なので、御社は非常に良いサービスを提供しているので、もっと頑張ってたくさんの人に喜びを与えなければいけませんよ。」と言われました。
*ちなみに後でお聞きしたのですが、結構大きな会社の社長さんでした。
近年、日本の男子は元気が無いと言われますが、当店ももっと多くの男の人たちに知ってもらって、
少しでも元気を与えられるようにしていきたいと考えております。今後とも宜しくお願い致します。
感謝
福井 亮
ビーエスト代表
かつら大手メーカー2社で、技術職から管理職まで幅広く従事。ヘアケア業界では35年以上のキャリアを持つ。